【中学受験国語】読解力がないのはなぜ?成績が上がらない子の3つの原因とプロが教える克服法

国語

中学受験を控えたお子様の国語の成績、特に「長文読解」でお悩みではありませんか?

「いつも時間が足りなくて、最後まで解ききれない」

「文章を読んでも、何が書いてあるか分かっていないみたい」

「どうしてその答えになるのか、本人も説明できない」

このようなお悩みを抱える保護者様は少なくありません。実は、長文読解が苦手な子には共通する「3つの原因」があります

この記事では、多くのお子様を指導してきた経験から見えてきた、読解問題の点数が伸び悩む根本的な原因と、ご家庭でも実践できる具体的な克服法を詳しく解説します。

長文読解ができない子の3つの根本原因

国語のテストで点が取れないのは、語彙力や読書量の問題だけではありません。多くの場合、文章に対する「読み方」そのものに課題が隠されています。

原因1:「木を見て森を見ず」の状態に陥っている

まず、文章を「ざっくり読む」ことができていません。

これは、知らない言葉や難しい漢字が出てくるたびに思考がストップしてしまい、文章全体で筆者が何を伝えたいのかを大掴みできていない状態です。

長文読解で最も大切なのは、細部にこだわりすぎず、まずは「全体として何が言いたいのか」を把握すること。細かい部分に囚われてしまうと、時間ばかりが過ぎていき、最も重要なテーマや筆者の主張を見失ってしまいます。まさしく「木を見て森を見ず」という状態です。

原因2:文章という名の「地図」が読めていない

次に、文章を「色分け」できていません。

これは、文章がどんな役割を持つ文で構成されているかを理解できていない状態です。例えるなら、海や陸、道路などが色分けされていない真っ白な地図を渡されているようなもの。どこに何が書かれているのか、目的地(答え)にたどり着くことができません。

例えば、随筆文は筆者の「体験」と「感想・意見」で構成されています。物語文なら登場人物の「行動」と「心情」です。この「色分け」ができないと、設問が求める答えが文章のどこにあるのかを見つけ出すことが非常に困難になります。

原因3:毎回が初見問題?「質問慣れ」していない

最後に、「質問慣れ」ができていません。

長文読解の設問には、実は「パターン」があります。しかし、質問に慣れていないお子様は、毎回初めて見る問題のように感じてしまい、必要以上に考え込んだり、焦ったりしてしまいます。

突き詰めると、中学受験の国語で問われることは、ほぼ「言い換え」と「なぜ」の2種類しかありません。

「〜とはどういうことですか」「〜を説明しなさい」といった問いは、結局のところ、傍線部の内容を「別の言葉で言い換える」ことを求めています。

また、「この時の気持ちを答えなさい」「その理由を答えなさい」といった問いは、行動の「なぜ(=心情)」、結論の「なぜ(=根拠)」というように、文と文の目には見えない繋がりを問うています。

このパターンに気づけないと、いつまでも効率的な解答ができません。

【今日からできる】読解力アップのための3つの処方箋

では、これらの原因を克服するために、具体的に何をすればよいのでしょうか。ご家庭でも取り組めるトレーニング方法をご紹介します。

1.「ざっくり読み」は音読で鍛える!復習は不要!

知らない言葉で立ち止まる癖を治し、文章全体を捉える練習に最も効果的なのは「音読」です。

黙読では目が滑ったり、一箇所で止まったりしがちですが、声に出して読むことで、半ば強制的に先へ先へと読み進める力が働きます。言語能力は「聞く→話す→読む→書く」の順で発達します。「読む」でつまずいているなら、一つ手前の「聞く・話す」の領域である音読に立ち返るのは、非常に合理的なトレーニングです。

そして、もう一つのポイントは「復習しない」ことです。

一度出た長文が再びテストに出ることはありません。それよりも、新しい文章にどんどん触れていく方が、文章の構成や表現の様々なパターンに慣れることができ、はるかに効果的です。量をこなすことを意識しましょう。

2.「色分け」を意識して、答えのありかを見つける力を養う

文章が「地図」であるなら、答えは必ずその地図の中に書かれています。答えが見つからないのは、色分けができていないからです。

普段から、文章の種類に応じて「色分け」を意識する練習をしましょう。

  • 物語文:「登場人物の行動」と「心情」
  • 随筆文:「筆者の体験」と「感想・意見」
  • 説明文:「理由・根拠」と「判断・結論」

このように文の役割を分類するだけで、「気持ちを答えなさい」と聞かれたら「心情」の部分を探せばいい、というように、答えのありかが見つけやすくなります。

3.簡単な問題集で「質問慣れ」の練習をする

質問のパターンに慣れるには、とにかく数をこなすことが重要です。

その際、あえて学年を一つ下げるなど、簡単でスラスラ解ける問題集を使うことをお勧めします。難しい問題集では、文章を読むこと自体にエネルギーを使い果たしてしまい、「質問に慣れる」という本来の目的を達成できません。

目的意識を持って問題集を選ぶことが大切です。簡単な問題で「またこのパターンの質問だ!」という経験を積み重ねることで、解法の引き出しが着実に増えていきます。

まとめ:専門家の視点で、お子様に最適な指導を

ここまで、長文読解が苦手な原因と、ご家庭でできる対策についてお話ししてきました。

  1. ざっくり読む:音読で止まらず読む練習をする。
  2. 色分けする:文の役割を意識し、答えの場所を見つける練習をする。
  3. 質問慣れする:簡単な問題で数をこなし、設問パターンを体に叩き込む。

これらのポイントは、国語の読解力を本質的に高めるための非常に重要な考え方です。

しかし、「分かってはいても、我が子に合った指導をするのは難しい」「音読に付き合う時間がない」「どの問題集を選べばいいか分からない」と感じられる保護者様もいらっしゃるかもしれません。

もし、ご家庭での対策に限界を感じたり、より専門的な指導でお子様の国語力を飛躍させたいとお考えでしたら、ぜひ一度、家庭教師(オンライン・対面)という選択肢をご検討ください

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