「今を大事に」という癒やし

2019.06.12

お寺や教会ってよく、入り口のところに、「いい言葉」みたいなのが貼り出してありますよね。通る人のココロを狙ったような。私はあれをよく読んでしまうのですが、近所のお寺には今、相田みつをの言葉が書いてあります。正確な文言は忘れましたが、過去や未来より今を大事に生きようというものです。

それを読んだとき、アレ?って思いました。あとでよく考えたんですが、なにか仏教の考え方と矛盾しているような気がしたからだと思います。まあ仏教を勉強したわけでも、ましてや修行したわけでもないので深入りはしませんが。

でも「過去や未来より今を大事に」というのは、ものすごく現代的な「癒やしの言葉」だと思います。これは要するに、過去の後悔や、未来への不安に悩む人へと向けられた言葉だからです。今が地獄のように辛い人や、刹那的な生活に何の不満もない人には、この言葉は響かないでしょう。つまり、「気の持ち方、考え方さえ変えられれば…」と思っている人たちにこそ刺さる言葉だということです。私も含め、今はそういう人が多いのだと思います。そして、この言葉を掲示したお坊さんも、多分そう考えているのでしょう。

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